专利摘要:
流体力学的な紡糸によってポリマー繊維が形成される。流体を、ほぼ同軸の流体流の三つまたはそれ以上の層を含む層流を形成するように、流体流の管状中間層の断面を画定するように選択されたそれぞれの流量で、導管中に流す。中間層は架橋性ポリマー前駆体を含む。流体流のもう一つの層が架橋薬剤を含む。ポリマー前駆体、架橋薬剤および流体は、中間層から離れる、ポリマー前駆体の実質的拡散を防ぐように、かつ架橋薬剤の一部分が該もう一つの層から中間層の中に拡散して、中間層中のポリマー前駆体の架橋を促進して、ポリマー繊維中に管状ポリマー層を形成することを可能にするように選択される。したがって、ポリマー層は、中間層の断面にほぼ合致する断面を有する。
公开号:JP2011514453A
申请号:JP2010548647
申请日:2009-03-02
公开日:2011-05-06
发明作者:ジャッキー;ワイ. イン;カール シューマッハ;レンシェン デン;ミン フー;元一 栗沢
申请人:エージェンシー フォー サイエンス, テクノロジー アンド リサーチ;
IPC主号:D01D5-00
专利说明:

[0001] 関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み入れられる、2008年2月29日出願の米国特許仮出願第61/064,369号の恩典を主張する。]
[0002] 発明の分野
本発明は一般に、ポリマー繊維の調製に関し、特に、多相層流中のポリマー繊維の形成に関する。]
背景技術

[0003] 発明の背景
ハイドロゲル繊維のようなポリマー繊維は、様々な用途において、たとえば細胞移植または組織エンジニアリングのための担体または足場として有用である。用途によっては、たとえば血管および腎組織エンジニアリングの分野においては、細胞を繊維中に播種することが望ましい。しかし、可変性の断面形状およびサイズを有するポリマー繊維を効率的に形成すること、または繊維中の細胞播種を制御することは依然として難題である。播種された細胞を有するポリマー繊維は、押出し法を使用して形成することができるが、従来の押出し法において、繊維断面形状またはサイズを変化させること、または細胞が繊維中にどのように分散するのかを制御することは不都合である。]
[0004] 好都合な繊維形成方法は、流体流の三つまたはそれ以上の層の層流を使用して、中間層または内側層を成形し、重合させてポリマー繊維層を形成する。繊維層の断面(形状およびサイズを含む)は、流体流の各層の入力流量を変化させることによって好都合に調節することができる。細胞は、前駆体流体に含めることにより、好都合かつ選択的に繊維に組み込むことができる。]
[0005] したがって、本発明の局面にしたがって、流体力学的な紡糸(hydrodynamic spinning)によってポリマー繊維を形成する方法であって、複数の流体を、導管中に流して、ほぼ同軸の流体流の三つまたはそれ以上の層を含む層流を形成させる段階を含む方法が提供される。流体流は、流体流の管状中間層の断面を画定するように選択されたそれぞれの流量で導管中を流れる。中間層は架橋性(cross-linkable)ポリマー前駆体を含む。流体流のもう一つの層が架橋薬剤を含む。ポリマー前駆体、架橋薬剤および流体は、中間層から離れる、ポリマー前駆体の実質的拡散を防ぐように、かつ架橋薬剤の一部分がもう一つの層から中間層の中に拡散して、中間層中のポリマー前駆体の架橋を促進して、ポリマー繊維中に管状ポリマー層を形成することを可能にするように、選択される。したがって、ポリマー層は、中間層の断面にほぼ合致する断面を有する。]
[0006] 流体流が導管に通されるときなどに導管を通過する流量を調節して、管状中間層の断面を変化させることができる。流量は、流量の比を調節することによって調節することができる。前記もう一つの層は流体流の管状外側層を含むことができる。前記もう一つの層は流体流の内側層を含むことができ、ポリマー繊維は管状であることができる。管状のポリマー繊維は、約20μmまたはそれ以上の内径および約60μmまたはそれ以上の外径を有することができる。流体流のほぼ円柱形の内側層がポリマー前駆体を含むことができ、ポリマー繊維はほぼ円柱形であることができる。円柱形ポリマー繊維は約20μmまたはそれ以上の直径を有することができる。中間層は複数の中間層を含むことができ、ポリマー繊維は複数のポリマー層を含むことができる。架橋薬剤は架橋剤を含むことができ、ポリマー層は、ポリマー前駆体を架橋薬剤で架橋させることによって形成されるポリマーを含むことができる。架橋薬剤は架橋開始剤を含むことができる。架橋薬剤は架橋触媒を含むことができる。ポリマー繊維を固化させることができる。ポリマー繊維が導管を出たのち、ポリマー繊維を液浴に浸漬することができる。ポリマー繊維が細胞を含むように細胞を層流中に分散させることができる。ポリマー繊維中の複数の層が細胞を含むように細胞を層流の複数の層の中に分散させることができる。細胞は、ポリマー繊維の異なる層が異なるタイプの細胞を含む、またはポリマー繊維の異なる層が異なる濃度の細胞を含むように層流中に分散させることができる。流体の一つまたは複数が細胞培地を含むことができる。流体の一つまたは複数がリン酸緩衝生理食塩水を含む。ポリマー前駆体は、ゼラチン−ヒドロキシフェニルプロピオン酸、アルギン酸カルシウムまたはポリスルホンを含むことができる。架橋薬剤は過酸化水素を含むことができる。流体流の中間層はセイヨウワサビペルオキシダーゼを含むことができる。方法は、中間層中で架橋を開始させることを含むことができる。]
[0007] 発明の具体的態様に関する以下の詳細な説明を添付図面と併せて検討することにより、本発明の他の局面および特徴が当業者に明らかになるであろう。]
図面の簡単な説明

[0008] 図面は本発明の態様を例として示すだけである。]
[0009] 本発明の態様を例示する、紡糸口金を備えた紡糸装置100を示す略図である。
図1に示す紡糸口金をA-A線から見た断面図である。
図2の紡糸口金をB-B線から見た断面図である。
作動中の図3の紡糸口金の断面図である。
図4に示す同軸層流の断面図である。
入れ子管状入口を有する代替紡糸口金の部分断面図である。
入れ子管状入口を有する代替紡糸口金の部分断面図である。
入れ子管状入口を有する代替紡糸口金の部分断面図である。
入れ子管状入口を有する代替紡糸口金の部分断面図である。
図7、8および9の紡糸口金を使用して形成することができるポリマー繊維の代表的な断面構造を示す表である。
実施例で使用される紡糸装置を示す略図である。
実施例で使用される様々な流体層パターンを示す略図である。
実施例で使用される様々な流体層パターンを示す略図である。
実施例で使用される様々な流体層パターンを示す略図である。
サンプル繊維の画像である。
サンプル繊維の画像である。
サンプル繊維の画像である。
サンプル繊維の画像である。
サンプル繊維の画像である。
サンプル繊維の画像である。
サンプル繊維の画像である。
サンプル繊維の画像である。
いくつかのサンプル繊維の製造で起こる化学反応の図である。
いくつかのサンプル繊維の製造で起こる化学反応の図である。]
[0010] 例示的な態様の詳細な説明
本発明の例示的態様は、流体力学的な紡糸によってポリマー繊維を形成する方法に関する。複数の流体を、導管中に流して、ほぼ平行な流体流の三つまたはそれ以上の層を含む層流を形成させる。流体流の層はほぼ同軸である。導管中の流体流のそれぞれの流量は、たとえば入力流体流量を調節することにより、流体流の管状の中間層の断面、特に断面サイズを画定するように選択される。流量は、事前に調節することもできるし、ポリマー繊維が形成される間に入力流量を調節することによって動的に調節することもできる。中間層はポリマー前駆体を含有する。流体流の一つまたは複数の他の層が、架橋剤、架橋開始剤または架橋触媒であることができる架橋薬剤を含有する。ポリマー前駆体、架橋薬剤および流体は、中間層から離れる、ポリマー前駆体の実質的拡散を防ぐが、架橋薬剤の一部分が他の層から中間層の中に拡散することを可能にするように選択される。そして、中間層中、架橋薬剤の存在においてポリマー前駆体の架橋が起こって、管状のポリマー層を形成することができる。ポリマー層は、流体流の中間層の断面にほぼ合致する断面を有する。ポリマー層は、ポリマー繊維または層流中の多層繊維中の層を形成することができる。細胞を、流体流中に選択的に分散させることにより、好都合に繊維層に組み込むことができる。]
[0011] 以下さらに詳細に説明するように、層流中に流体流の三つまたはそれ以上の層がある場合、この方法から中実または中空の繊維を好都合に形成することができる。中空繊維は、約20μm未満の内径および約60μmよりも大きい外径を有することができる。中実繊維は、約20μmよりも大きい直径を有することができる。]
[0012] また、層流中に流体流の三つまたはそれ以上の層がある場合、多数の層を有する繊維を好都合に形成することができる。好都合には、異なる繊維層が異なる物理的、化学的または生物学的性質を有することができる。]
[0013] 例示的な紡糸押出し装置100が図1、2および3に概略的に示されている。]
[0014] 装置100は紡糸口金102を含み、この紡糸口金は、入口区分104、接続区分106および導管110を画定する重合区分108を有する。]
[0015] 入口区分104は、三つのほぼ同軸に入れ子された管状入口112、114および116を含み、各入口が、それぞれの流体を導管110に注入するために、流体供給源(以下を参照)と流体連通している。]
[0016] 接続区分106は、入口112、114、116からの流体を導管110の中に送って導管110中で層流を形成させる。接続区分106は、図3に示すようにほぼ円柱形を有することもできるし、ほぼ漏斗形を有することもできる(以下を参照)。]
[0017] 重合区分108は、架橋によってポリマー前駆体の重合を可能にするのに十分な長さである。]
[0018] 導管110は、たとえば約0.8mmの直径を有するほぼ円形の断面およびたとえば約15mmの長さを有することができる。直径および長さは、具体的な用途に依存して異なることができる。しかし、理解することができるように、導管110の寸法および形状は、特定の用途で使用される特定の流体および流量範囲に関してその中の層状流体流を許すような寸法および形状であるべきである。たとえば、導管110の直径は、所与の流体および流体流量に関して、導管110中の流体流のレイノルズ数(Re)が、層流を形成するためのしきい値よりも小さくなるような直径であるべきである。]
[0019] 入口区分104、接続区分106および重合区分108は、別々に提供されることもできるし、一体ボディに統合されることもできる。]
[0020] 導管110から紡糸されたポリマー繊維を液浴120に浸漬するために、液浴120を収容する容器118が導管110に隣接して配置されることができる。液浴120は、繊維を固化し、繊維表面上の張力を減らすための流体を含むことができる。たとえば、液浴は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液を含むことができる。]
[0021] 二つまたはそれ以上の流体供給源、たとえば流体供給源122、124、126が提供されてもよい。]
[0022] 流体供給源の一つ、たとえば流体供給源124は、ポリマー前駆体を含有する第一の(前駆体)流体を供給する。ポリマー前駆体は、層流中の様々な流体層の間の界面を通過して拡散する傾向が低い高分子を含むことができる。ポリマー前駆体はまた、架橋剤によって架橋してポリマーを形成することができる。一つより多いポリマー前駆体が含まれてもよい。また、共重合させることができる様々なモノマーが含まれてもよい。たとえば、ポリマー前駆体は、ゼラチン−ヒドロキシフェニルプロピオン酸(Gtn-HPA)、アルギン酸カルシウムまたはポリスルホンを含むことができる。フィブリノーゲン、ヒアルロン酸、ゼラチン−チラミン、キチン、N-イソプロピルアクリルアミドなどのような他の前駆体を様々な用途で使用することもできる。本明細書中、項目のリストが提供され、最後の項目の前に「または」がある場合、それらの項目の任意の一つを含める、または使用することができ、また、それらの項目の任意の二つまたはそれ以上の組み合わせが可能であり、組み合わされる項目が本質的に非両立性または排他的ではない限り、それらの項目の任意の二つまたはそれ以上の組み合わせを含める、または使用することができる。]
[0023] もう一つの流体供給源、たとえば流体供給源122または126が、架橋薬剤を含有する架橋薬剤流体を供給する。架橋薬剤は、架橋剤、架橋開始剤または架橋触媒であることができる。架橋剤は、ポリマー前駆体および架橋剤が導管110に注入され、接触させられたとき、ポリマー前駆体を架橋させてポリマー繊維を形成するように選択されることができる。または、架橋開始剤は、架橋開始剤が前駆体流体中に存在するとき、ポリマー前駆体の架橋を開始させるように選択されることもできる。流れが導管110を出て、その断面形状をゆるめる前にポリマーを形成するのに十分な速度で反応が進行することができるよう、触媒を使用して架橋および重合反応を促進することもできる。架橋薬剤は、層流中の様々な流体層の間の界面を通過して拡散する傾向が比較的高い、比較的小さな分子を含むことができる。たとえば、架橋薬剤は、過酸化水素(H2O2)、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)、塩化カルシウム、トロンビン、水、酵素などを含むことができる。]
[0024] 流体供給源126のようなさらなる流体供給源を提供して、シース(成形)流体またはさらなるポリマー前駆体流体を供給することもできる。さらなるポリマー前駆体流体は、ポリマー前駆体を含むことができ、もう一つの前駆体流体と同じまたは異なる内容物を有することができる。]
[0025] 各流体は適当な溶媒を含むことができる。たとえば、PBSを溶媒として使用することができる。脱イオン水のような水を溶媒として使用することもできる。]
[0026] 図1に示すように、各流体供給源122、124、126はそれぞれの入口112、114および116に接続されている。しかし、流体供給源は、以下で明らかになるように、用途に依存して、三つの入口112、114、116のうちの二つに接続されることもできる。いくつかの用途においては、二つの流体供給源、たとえば流体供給源122および124で十分であり、流体供給源126を省略することもできる。]
[0027] 流量調整器132、134および136を制御するための調整器制御装置130を提供することができる。各流量調整器132、134および136は、入口112、114、116を通過する流体の流量を調整するためにその入口112、114、116と対応している。制御装置130は、以下さらに詳細に説明するように、形成される繊維のサイズおよび形状を調節するために、流量調整器132、134、136を制御して、入口112、114および116における様々な流量の比を調節するように適合されることができる。調整器132、134、136は、入口112、114および116を通過する流体流量を変化させるために制御されることができる任意の適当な装置または構造であることができる。たとえば、弁または流体ポンプを流量調整器として使用することができる。]
[0028] 場合によっては、重合区分108に光を照射して流体流中で架橋を光開始させるための光源(図示せず)が提供されてもよい。]
[0029] 場合によっては、流体流中で架橋を熱開始させるためのヒーター(図示せず)が、重合区分108の壁に組み込まれているような状態で、提供されてもよい。]
[0030] 架橋が、たとえば酵素または別の化学薬剤を使用する化学開始によって開始されるならば、光源およびヒーターの両方が省略されてもよい。]
[0031] 装置100の構成部品は任意の適当な材料でできていることができる。]
[0032] いくつかの用途において、装置100は以下のように作動させることができる。図1に示すように、流体供給源122、124、126がそれぞれ入口112、114、116に接続される。]
[0033] 所望の繊維構造に依存して、異なる流体を異なる入口112、114、116から紡糸口金102に選択的に注入することができる。実例として、まず、管状のポリマー繊維を形成することを仮定する。この場合、流体供給源122が、架橋薬剤を含有する流体を入口112に供給することができ、流体供給源124が、ポリマー前駆体を含有する前駆体流体を入口114に供給することができ、流体供給源126がシース流体を入口116に供給することができる。]
[0034] 流体供給源122、124、126からの流体は、それぞれ入口112、114、116および接続区分106を介して、それぞれの流量で導管110に注入される。それぞれの流体流は接続区分106によって導管110の中に送られる。流量は、制御装置130により、流量調整器132、134、136を介して制御される。入口112、114、116における、ひいては導管110中の流体の流量は、様々な流体が、図4の破線および矢印によって示されるように導管110中に層流400を形成するように、また、様々な層流層、たとえば流層402、404、406が、得られる繊維が所望の断面形状およびサイズを有するように所望の厚さを有するように選択される。]
[0035] 断りない限り、流量は、導管110を通過する流量を指し、入力流量は、入口112、114、116における流量を指す。流量は、単位時間中に導管110を通過する流体流の合計量を指す。量は、たとえば、体積、重量またはモル量として計測することができる。定常状態において、所与の液体の入力流量は、導管110を通過するその液体の流量と同じである。さらには、導管110を通過する一つの流体流の流量は、対応する入口を通過するその流体の入力流量および他の流体流の入力流量に依存することができる。導管110内の様々な流体流の体積比は様々な流体流の流量の相対比に依存する。体積比が変化すると、導管110中の様々な流体流層のサイズおよび形状もまた変化する。したがって、入力流体流量を調節することにより、流体流層のサイズおよび形状を(動的に)調節することができる。]
[0036] 流量(または入力流量)と流体層寸法との間の関係は、当業者によって理解されるように、所与の態様に関する理論的計算に基づいて推定することができる。流量に基づいて近似流れ直径を計算するための例示的な式が以下の実施例Iに記載される。]
[0037] 層流中、隣接する流体層、たとえば層402、404は、物理的に接触しているが、それぞれの流量で流れる。二つの隣接層の間の界面領域でいくらかの横断方向拡散が起こることもあるが、各流層のおおよその寸法は導管110中で実質的に不変のままであることができる。したがって、流体供給源122から入口112を介して注入された流体は、流体流のほぼ円柱形の内側層402を形成する。流体供給源124から入口114を介して注入された流体は、流体流の内側層402を包囲する、流体流のほぼ管状の中間層404を形成する。流体供給源126から入口116を介して注入された流体は、流体流の中間層404を包囲する、流体流のほぼ管状の外側層406を形成する。流体流の層402、404、406が層流400を形成する。]
[0038] 当業者によって理解されるように、二つの隣接層が互いに対してほぼ平行に流れる場合、流体層流中の二つの隣接流層の間に界面領域が維持されることができる。導管110中の層流400の流体層402、404、406の断面形状が図5に概略的に示されている。この場合、流層402および406中の流速は、異なってもよいし同じであってもよい。]
[0039] 流体、ポリマー前駆体および架橋薬剤は、層流400が導管110を通過するとき、流体流の中間層402中のポリマー前駆体分子が中間層から離れて拡散することは実質的に阻止されるが、架橋薬剤の分子が流体流の内側層402から流体流の中間層404の中に拡散することは許されるように選択されるべきである。したがって、ポリマー前駆体の架橋による重合は、中間層404の中では起こるが、内側層402または外側層406の中では重合反応はほとんど起こらない。その結果、重合反応から形成されるポリマー層(繊維)は、中間層404の断面にほぼ合致する断面を有するようになる。架橋薬剤の横断方向拡散速度が遅すぎるならば、ポリマー層は、導管110中で十分な速さで形成しない。ポリマー前駆体の横断方向拡散速度が速すぎるならば、中間層404の外側で実質的な重合が起こり、形成されるポリマー層の断面を制御することが困難になる。]
[0040] 中間層404中で架橋薬剤がポリマー前駆体と接触または接近すると、架橋反応が起こることができる。反応は、任意の適当な技術を使用して促進する、または開始させることができる。]
[0041] たとえば、流体流の中間層404中の架橋反応は、適当な開始法、たとえば化学開始法、光開始法または熱開始法によって開始させることができる。たとえば、化学開始法は、化学薬剤、たとえば適当な酵素を中間層404または隣接層中に含めることによって実施することができる。光開始法は、導管110中の流体にレーザーまたは紫外線を照射することによって実施することができる。熱開始法は、たとえばヒーター(図示せず)を用いて導管110中の流体を加熱または冷却することによって実施することができる。]
[0042] ポリマー前駆体分子が架橋剤分子によって架橋されると、流体流の中間層404中にポリマー、たとえばハイドロゲルが形成する。中間層404はほぼ管状の断面を有するため、ポリマーは、流体流の中間層404の断面にほぼ合致する断面形状を有するほぼ管状のポリマー繊維408を形成する。この場合、ほぼ管状のポリマー繊維408が形成する。繊維408の内径は、流体流の内側層402の直径(または流体流の中間層404の内径)に似ている。繊維408の外径は、流体流の中間層404の外径(または流体流の外側層406の内径)に似ている。]
[0043] 繊維408が紡糸口金102の導管110から出るとき、繊維は、空気によって、または液体、たとえば図1に示す液浴120中で固化(硬化)する。繊維408は多孔構造を有することができる。]
[0044] 流体流の非重合層、この場合、層402および406は、流体形態で導管110を出て、液浴120によって受けられることができる。]
[0045] 理解されるように、両方の流体供給源122または126が架橋薬剤流体を供給するならば、類似した繊維408を得ることができる。]
[0046] または、両方の流体供給源122および124が前駆体流体を供給し、流体供給源126が架橋薬剤流体を供給するならば、中間層404の外径(または外側層406の内径)に実質的に合致する直径を有する二層円柱形ポリマー繊維が形成する。流体供給源122および124が、異なる他の内容物、たとえば異なる細胞配合量または異なる濃度の特定のイングレスピンネレテント(ingrespinneretnt)を含有する異なる前駆体流体を供給するならば、繊維の二つの層は異なる内容物または構造を有することになる。たとえば、二つの繊維層は、前駆体流体の違いに依存して、異なる細胞配合量または異なる物理的もしくは化学的性質を有することができる。]
[0047] さらなる代替態様において、入口の一つが閉じており、二つの開いた入口から注入される二つの入力流体から二層層流が形成されることもできる。]
[0048] 入口112、114、116における流量を調節することにより、紡糸口金102の物理的寸法を変更することなく、得られる繊維の断面形状およびサイズを好都合に変化させることができる。単一繊維の紡糸中に様々な流体の流量を変化させることができるため、単一繊維が、変化する直径を有することができる。]
[0049] 繊維の直径は、マイクロメートルのオーダで好都合に変化させることができる。たとえば、管状繊維は、約20μmまたはそれ以上の内径および約60μmまたはそれ以上の外径を有することができる。円柱形繊維は、約20μmまたはそれ以上の直径を有することができる。]
[0050] また、ポリマー繊維が形成されるところの対応する流体中に細胞を分散させることにより、得られる繊維に細胞を組み込むことが好都合である。たとえば、細胞は、前駆体流体、架橋薬剤流体またはシース流体に含めることができる。繊維が形成され、固化したのち、細胞は繊維中に固定化される。細胞がはじめにどの流体中に分散されるのかに依存して、細胞は、繊維の至る所に固定化されることもできるし、繊維の内面または外面領域に集中することもできる。]
[0051] また、細胞を健全に維持し、成長させるために、細胞が分散される流体中に細胞培地を含めることもできる。たとえば、細胞培地は、前駆体流体に含めることができる。]
[0052] 本明細書に開示される例示的態様は変形されることができる。たとえば、紡糸口金が、図2および3に示すよりも多くの入れ子管状入口を含むように変形されることができる。たとえば、多層繊維を形成するために、より多くの入口が入れ子されてもよい。いくつかの可能な代替入口区分が、それぞれ二つ、三つ、四つおよび五つの入れ子管状入口ならびにほぼ漏斗形状の接続区分を有する図6、7、8および9に示されている。円柱形または管状の繊維を形成するためには2入口構造(図6に示す)を使用することができるが、三つまたはそれ以上の入れ子入口がある場合、理解されるように、多層繊維を好都合に形成することができる。さらには、二つより多い入れ子入口がある場合、流体流の層、ひいては得られる繊維のサイズおよび形状を調節することがより好都合である。多層繊維においては、層の一つまたは複数が細胞を含有することができる。異なる繊維層が異なるタイプの細胞または異なる濃度の細胞を含有することができる。例示するために、いくつかの例示的な繊維断面パターンが図10に示されている。図中、各行の左列の数字は押出しヘッドの入れ子入口の数を示す。]
[0053] 導管および入口の断面形状を変更することにより、様々な断面形状を有する繊維を得ることができる。たとえば、導管または入口の断面形状は、ほぼ円形、楕円形、長方形、正方形または三角形であることができる。]
[0054] 繊維中のポリマーは任意の適当なポリマーであることができる。たとえば、生物学的または組織エンジニアリング用途の場合、ポリマーは生体適合性であり、他の細胞または組織が用途に関与することができる。ポリマーは、はじめ、ゲル形態に形成されることができる。]
[0055] 様々な適当なハイドロゲル前駆体をポリマー前駆体として使用することができる。ハイドロゲル前駆体は、任意の適当な架橋法によって架橋させることができる。たとえば、適当なハイドロゲル前駆体の架橋は化学的に開始させることができ、ラジカル重合、化学反応、照射または酵素を含むことができる。ハイドロゲル前駆体の架橋はまた、物理的に開始させることもでき、イオン相互作用、結晶化、両親媒性ブロックおよびグラフトコポリマー、水素結合、タンパク質相互作用または温度もしくはpHの変化を含むことができる。]
[0056] 好都合には、他の材料および薬剤を細胞とともに繊維に組み込むこともできる。たとえば、他の生物学的成分、たとえば成長因子、細胞外マトリックス(ECM)材料、薬物、タンパク質または栄養素を流体流に含め、繊維に組み込むことができる。]
[0057] ハイドロゲル繊維は、二つまたはそれ以上のポリマー材料のブレンド、たとえばアルギン酸塩とGtn-HPAとの混合物から形成することができる。ブレンド繊維の場合、繊維形成ののちポリマー材料の一つを選択的に除去して、それにより、最終的な繊維の多孔度を高めることができる。]
[0058] 管状繊維の管腔の内面上に細胞を固定化するためには、希釈した架橋剤溶液を、細胞をも含有する内側流体流に加えることができる。形成された中空繊維を周期的に圧縮して、細胞を繊維内壁に封着させることができる。いくつかの用途において、繊維が周期的に圧縮されないならば、管腔中の細胞は封着されず、流れによって洗い流されるかもしれない。]
[0059] 本明細書に開示される例にしたがって形成された管状ハイドロゲル繊維は数多くの用途に有用であることができる。組織エンジニアリングにおいては、管状繊維は、たとえば尿管、膀胱、尿道、動脈、末梢神経、肝臓、腎臓または肺の機能を提供する組織を再構成するために、管状の足場として使用することができる。]
[0060] たとえば、狭窄した冠動脈は、冠血流量の減少を招き、心筋梗塞を生じさせるおそれがある。この冠動脈狭窄の可能な臨床処置は、閉塞した動脈を患者の内乳房動脈または伏在静脈を経由してバイパスする冠動脈バイパス術(CABG)である。適切な細胞を配合された管状繊維をこの目的に使用することができる。好都合に、細胞配合繊維は、単一の押出し工程で調製することができる。]
[0061] ポリマー繊維は、人工血管グラフト、神経導管、腎細管および三次元(3D)細胞培養構造の製造に使用することができる。繊維に細胞を播種して、細胞が播種されたハイドロゲル管状足場および細胞が播種されたハイドロゲルフィラメントを形成することができる。]
[0062] ポリマー繊維はまた、血管作成物、神経導管、腎組織または他のタイプの人工組織もしくは足場として使用することもできる。]
[0063] 複合繊維層および中空繊維の内面の層に均一に埋め込まれた細胞を同時に形成することが可能であるため、そのような複合繊維は、バイオリアクタ、バイオ人工臓器および水処理カートリッジなどを形成するための用途を有することができる。]
[0064] 流量を変化させることによって繊維の形状を動的に変化させることができるため、方法は、「流体力学的成形法」と呼ぶことができ、押出し法は、「流体力学的共押出し法」と呼ぶことができる。]
[0065] 断りない限り、実施例で使用された材料は以下のようにして得た。]
[0066] ゼラチン(8〜14kDa)、セイヨウワサビペルオキシダーゼおよびH2O2(31重量%)は、それぞれ、Wako(商標)(Osaka, Japan)、Tokyo Kasei Kogyo Co.(Tokyo, Japan)およびMGCPure Chemicals(商標)(Singapore)から購入した。]
[0067] 4’-6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)は、Invitrogen Corp.(CA, USA)から購入した。]
[0068] Artisan(商標)ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)染色キットは、Dako(商標)(CA, USA)から購入した。一般細胞標識用PKH2グリーン蛍光細胞リンカーキット(PKH2-GL)および一般細胞標識用PKH26レッド蛍光細胞リンカーキット(PKH26-GL)は、Sigma-Aldrich(商標)(Singapore)から得た。]
[0069] 哺乳動物細胞用の生/死・生存率/細胞毒性試験キット(カルセインおよびEthD-1を含有)は、Invitrogen Corp.(CA, USA)から購入した。]
[0070] すべての薬品をさらなる精製なしで使用した。]
[0071] 実施例I
図11Aに概略的に示すような、3オリフィス入口区分を有する紡糸口金を使用して、流体力学的な紡糸システムを形成した。紡糸口金の入口区分は、ジグオリフィス内で同軸に入れ子された三つの円柱形ステンレス鋼管を含むものであった。紡糸口金の入口区分のフランジに五つの穴が形成され、その一つは中央に位置し、四つは入口区分の周に沿って位置していた。紡糸口金は一つの出口オリフィスを有するものであった。入口穴から出口オリフィスまで流体導管が延びていた。]
[0072] 先端が鈍い二本の針(18Gおよび25G)を入口穴に挿入し、三つの同心オリフィスを形成する鋼管の間の隙間の中に延ばした。]
[0073] ジグが入れ子管を定位置に保持し、三つの同心オリフィスをそれぞれの流路に接続した。各流路を通過する流体の流量をプログラム可能制御装置によって制御し、作動中に変化させた。]
[0074] 出口オリフィスは内径1.7mmであった。]
[0075] 紡糸口金が針を定位置に保持し、三つの同心環/オリフィスを個々にプログラム可能シリンジポンプに接続した。紡糸口金のオリフィスには接続漏斗が同軸に取り付けられ、この漏斗を通して、三つの同心オリフィスからの液体がまず合流し、次いで液浴に吐き出された。漏斗のまっすぐな部分は、内径0.78mm、長さ15mmのガラス毛管であった。接続漏斗が入口区分(同心オリフィス)を導管区分に接続した。]
[0076] 様々な溶液をポンピングして三つの(内側、中間および外側)入口(オリフィス)に通すと、低レイノルズ数の流体が接続漏斗中で合流し、三層同軸層流を形成した。]
[0077] 三つの同心オリフィスからの液体を導管区分に注入し、形成した繊維を液浴に吐き出した。]
[0078] 紡糸動作中、シース流体を内側オリフィスまたは外側オリフィスまたは両方から重合導管に注入した。ハイドロゲル前駆体を含む溶液を中間オリフィスから導管に注入した。架橋剤溶液を内側および外側オリフィスのいずれかまたは両方からシース流体に含める。]
[0079] 流体入力スキームの代表的な組み合わせが図11B、11Cおよび11Dに示されている。]
[0080] 紡糸口金寸法および流量に基づいて流れ断面の寸法および繊維を予測した。導管の直径がDRであると仮定して、層流中の中間管状層の内径(DI)および外径(DO)を以下のように計算した:

式中、Q1、Q2およびQ3は、それぞれ、入口区分の内側、中間および外側オリフィスを通過する入力流量を示す。流量は、流体流を駆動するシリンジポンプを事前に設定することによって制御した。]
[0081] 多層同軸層流中、小さな架橋剤分子に比較して、ハイドロゲル前駆体の横断方向拡散の幅広化は無視しうる程度であった。加えて、架橋は、異なる流層の界面で開始し、それが、ハイドロゲル前駆体の、内側または外側層への横断方向拡散の可能性をさらに減らした。]
[0082] したがって、ポリマー管状繊維の直径は中間層の直径とほぼ同じであった。]
[0083] 液浴には1×PBS溶液を使用した。]
[0084] 実施例II
実施例Iの紡糸口金を使用してポリマー繊維を形成した。使用したポリマー前駆体は、Gtn-HPA、アルギン酸カルシウムおよびポリスルホンを含む。使用した架橋法は、酵素的酸化反応、イオン相互作用または転相であった。]
[0085] 一般的なカルボジイミド/活性エステル媒介カップリング反応によってGtn-HPAコンジュゲートを合成した(以下、実施例VIを参照)。H2O2およびセイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)を使用するHPA部分の酵素的酸化反応によって架橋させた。フェノールの酸化カップリングは、フェノール間のC-CおよびC-O位置で進行した。]
[0086] 純Gtn-HPA繊維、細胞が播種された単層繊維、および細胞が播種された二層繊維を調製した。細胞播種サンプルの場合、細胞を前駆体溶液中で培養した。繊維形成中に細胞が損傷しないということがわかった。この実施例において、ハイドロゲルの剛性およびゲル化時間は、H2O2およびHRP濃度を変更することによって好都合に制御することができる。]
[0087] 実施例IIA(純Gtn-HPA繊維)
Gtn-HPA粉末を12.5mg/ml〜50mg/mlの範囲の濃度でPBSに溶解した。次いで、HRPをGtn-HPA溶液に加えて、6.25単位/mlのHRP濃度を生じさせた。次に、高濃度H2O2溶液(31重量%、MGCPure Chemicals Pte. Ltd., Singapore)を脱イオン(DI)水で希釈して、H2O2濃度0.5重量%の希釈H2O2溶液を得た。]
[0088] DI水、Gtn-HPA/HRP溶液および希釈H2O2溶液を三つのシリンジポンプに別々に装填し、ポンピングして押出しヘッドの入口オリフィスに入れた。溶液を入口オリフィスに供給するやり方に依存して、管状および円柱形のハイドロゲル繊維が調製された。]
[0089] 入力流量の比を変化させることにより、紡糸口金の寸法を変えることなく、異なる管状ハイドロゲル直径が得られた。]
[0090] 管状および円柱形のサンプル繊維の代表的な画像が図12、13、14および15に示されている。図12および14の光学画像は、Gtn-HPA繊維を水に浸漬したときに撮られたものである。図13および15は、サンプルGtn-HPA繊維の凍結切片画像を示す。繊維を、まず、組織包埋媒体(Tissue-Tek(商標))によって固定し、次いで、クライオスタット(LEICACM3050S)によって切断した。凍結切片をヘマトキシリン/エオシンによって染色した。]
[0091] 図12は、純Gtn-HPAハイドロゲルから形成されたサンプル中実繊維の光学画像を示す。中実繊維は、サンプル繊維を凍結乾燥させ、切断したのち得られた走査電子顕微鏡(SEM)画像である図13に示すように、多孔性であった。図示されるサンプル繊維は、内側ハイドロゲル前駆体(Gtn-HPA+HRP)流量5μl/min、中間H2O2流量20μl/minおよび外側1×PBS流量75μl/minで形成されたものである。Gtn-HPA中実繊維はDI水中で透明であり、実質的に均一な直径を有した。]
[0092] 図14は、純Gtn-HPAハイドロゲルで形成されたサンプル中空繊維の光学画像を示す。繊維の管腔および壁の両方が画像中に見えた。図示されるサンプル繊維は、内側H2O2流量15μl/min、中間ハイドロゲル前駆体(Gtn-HPA+HRP)流量35μl/minおよび外側DI水流量50μl/minで形成されたものである。中間前駆体流中、Gtn-HPA濃度は25mg/mlであり、HRP濃度は6.25単位/mlであった。内側H2O2流はH2O2を0.5重量%含有するものであった。内側および中間流は1×PBS溶液ベースであった。図15に見てとれるように、サンプル繊維の断面はほぼ環状である。]
[0093] サンプルGtn-HPAハイドロゲル繊維は、機械的に強く、弾性であることがわかった。直径20μmのサンプル繊維は、破損させることなく取り扱うことができた。]
[0094] 実施例IIB(細胞が播種された繊維)
細胞が播種された単層繊維の共押出しの場合、単離されたマディン−ダービーイヌ腎(MDCK)細胞の懸濁液を、細胞105個/ml〜107個/mlの範囲の濃度で、Gtn-HPA/HRP溶液と均一に混合した。細胞をGtn-HPA/HRP溶液に加えたのち、シリンジポンプに装填した。単離された細胞はまた、さらなるシリンジポンプを介して入口区分でGtn-HPA溶液に加えることもできる。このポンプを介して細胞懸濁液をGtn-HPA/HRP溶液に注入することができ、その直後、3オリフィス紡糸口金中に供給した。]
[0095] この実施例において、等張条件で細胞生存度を維持するために使用した成形流体および液浴は、1×PBSまたは細胞培地DMEM(ダルベッコ修飾イーグル培地)であった。]
[0096] 図16、17、18および19は、細胞が播種された単層Gtn-HPAハイドロゲル繊維の代表的な画像を示す。]
[0097] 図16および17は中実サンプル繊維を示す。サンプル繊維は、内側ハイドロゲル前駆体(Gtn-HPA+HRP+MDCK細胞)流量7.5μl/min、中間H2O2流量17.5μl/minおよび外側1×PBS流量75μl/minで形成されたものである。MDCK細胞懸濁液をGtn-HPA+HRP溶液に加え、均一に混合したのち、この前駆体溶液をシリンジポンプに装填した。光学顕微鏡写真(図16)および凍結切片画像(図17)は、MDCK細胞がハイドロゲル繊維内に均一に分布していることを示した。]
[0098] 図18および19は管状のサンプル繊維を示す。使用された流体は、図12、13、14および15に示すサンプルの場合に使用した流体に似ており、MDCK細胞を106個/mlの濃度で加えたものであった。図17および19の凍結切片画像は、サンプルをDAPIで染色することによって得られたものである。これらのサンプル繊維は、上記内側流と中間流とを交換することによって得られたものである。具体的には、これらのサンプル中空繊維は、内側H2O2流量2.5μl/min、中間ハイドロゲル前駆体(Gtn-HPA+HRP+MDCK細胞)流量7.5μl/minおよび外側1×PBS流量90μl/minで形成されたものである。サンプル繊維中の様々な層を組織学によって識別することができた。]
[0099] 実施例IIC(細胞が播種された二層繊維)
細胞が播種された二層繊維の押出しの場合、高濃度H2O2溶液を、0.01重量%〜0.25重量%の範囲の濃度で、Gtn-HPA溶液(はじめにDI水で希釈していない)の部分に直接加えた。MDCK細胞は、約0.25重量%未満のH2O2にしか長期間は耐えることができないため、H2O2濃度を下げた。H2O2含有Gtn-HPA溶液を入口区分の内側オリフィスに供給した。実施例IIBにおけるようにHRP含有Gtn-HPA溶液を調製し、中間オリフィスに供給した。二つの溶液が紡糸口金の導管に注入されると、H2O2およびHRPの両方が横断方向に他方の層中に拡散したため、二つの層流層の間の界面領域でGtn-HPAハイドロゲルの架橋が起こった。]
[0100] どの層の中に細胞が播種されたかに依存して、細胞ペレットは、内側Gtn-HPA流または中間Gtn-HPA流または両方の中に分散した。]
[0101] 播種された細胞を有する二層ハイドロゲル繊維を形成した。サンプル繊維の二層構造を光学画像および凍結切片画像によって立証した。紡糸工程中に内側Gtn-HPA流中のポリマー前駆体が同じく架橋したため、これらのサンプル繊維は円柱形(中実)であった。]
[0102] また、MDCK細胞およびヒト微小血管内皮(HME)細胞の両方を同じハイドロゲル繊維中に固定化すると、HME細胞が周辺をライニングし、MDCK細胞がコアを占有した。これらのサンプル繊維は、内側ハイドロゲル前駆体(Gtn-HPA+H2O2+MDCK細胞)流量15μl/min、中間ハイドロゲル前駆体(Gtn-HPA+HRP+HME細胞)流量12.5μl/minおよび外側1×PBSシース流量72.5μl/minで形成されたものである。この場合、Gtn-HPA+H2O2+MDCK細胞を有する溶液が、前記中空繊維押出しの例における1×PBS希釈H2O2溶液の機能に取って代わった。中間オリフィスからのGtn-HPA+HRP+HME細胞含有溶液と合流すると、H2O2およびHRPの両方の横断方向拡散のせいで、流れ界面で二層Gtn-HPAハイドロゲル繊維の架橋が起こった。]
[0103] いくつかの試験において、異なるタイプの細胞を区別するため、HME細胞およびMDCK細胞を、それぞれ、レポータ分子を細胞膜上に組み込む蛍光細胞リンカー、PKH2-GLおよびPKH26-GLで標識した。これらの標識された細胞がその生物学的および増殖活性を保持するということが観察された。したがって、細胞追跡は容易に実施された。]
[0104] 実施例III
細胞生存度を評価するため、細胞が播種されたサンプルハイドロゲル繊維をDMEM中でインキュベートした。4日間の培養ののち、繊維表面上にMDCKの単層が形成していることがわかった。また、繊維内の細胞は大きく成長した。ハイドロゲル繊維中(または表面上)の細胞の形態は、ハイドロゲル組成に依存するだけでなく、関連する細胞のタイプにも依存した。また、繊維表面上の他のタイプの播種細胞の付着および成長を観察した。]
[0105] また、サンプル純Gtn-HPA中空繊維の管腔中で細胞を培養した。試験されたサンプル繊維の管腔の直径は約100μm未満であった。管腔との細胞成長を観察した。]
[0106] 細胞生存度に対する固定化工程の影響を評価するために、液浴から細胞が播種されたサンプルハイドロゲル繊維を収集し、二つの部分に分割した。一方の部分を生死判別試験によって分析し、他方の部分を細胞培地中でインキュベートした。Gtn-HPA中空繊維のマトリックスに埋め込まれた細胞の生死判別試験は、細胞の95%超がインサイチュー架橋工程を生き抜くことを示した。これは、Gtn-HPAハイドロゲルの酵素的架橋が穏やかな化学反応であり、細胞毒性ではないことを確認させた。]
[0107] MDCK細胞は、単層Gtn-HPA繊維内で十分に増殖して、4日間のインキュベーション後にハイドロゲル表面上に単層を形成するということがわかった。類似した結果が、NIH/3T3が播種された単層Gtn-HPA繊維中、DMEM中10日間のインキュベーション後に観察された。細胞の増殖および単層の形成はまた、HME細胞およびヒト近位細管(HPT)細胞を播種された中空Gtn-HPA繊維の場合でも、それぞれ0.5%(v/v)ペニシリン/ストレプトマイシン(100単位/ml)で補足された上皮成長培地(EGM)および腎上皮成長培地(REGM)中8日間のインキュベーション後に観察された。]
[0108] ハイドロゲル繊維中(またはその表面上)の細胞の形態は、固定化される細胞のタイプに依存した。ゼラチン中のRGD配列およびハイドロゲル中の気孔の存在が、これらの系における哺乳動物細胞の付着および増殖を促進することがわかった。]
[0109] 実施例IV
アルギン酸塩およびアルギン酸塩/Gtn-HPA繊維
実施例Iの装置によって純アルギン酸塩中空繊維およびアルギン酸塩/Gtn-HPAブレンド中実繊維を形成した。純アルギン酸塩中空繊維の押出しの場合、粉末形態のアルギン酸ナトリウム(アルギン酸、ナトリウム塩、Sigma Aldrich(商標), Singapore)を使用した。異なる重量%のアルギン酸塩を二つの異なる媒体、すなわちDI水およびDMEMに溶解した。オートクレーブ処理(121℃で20分間)またはガンマ線照射によってアルギン酸塩滅菌を達成した。シリンジポンプに装填する前に、アルギン酸塩溶液をろ過して、時間の経過とともに形成した黄色い沈殿物を除去した。塩化カルシウム(CaCl2)をアルギン酸塩のゲル化剤として使用した。DI水中の様々な濃度のCaCl2(50mM、100mMおよび200mM)を調製した。]
[0110] アルギン酸塩/Gtn-HPAブレンド中実繊維を紡糸するために、まず、上記アルギン酸塩溶液をGtn-HPA/HRP溶液と混合した。それとは別に、H2O2溶液をCaCl2溶液で希釈した。次に、二つの溶液を個々にシリンジポンプに装填し、ポンピングして3オリフィス紡糸口金に通した。]
[0111] 製造された繊維の中空構造を顕微鏡画像検査によって確認した。]
[0112] 実施例IV
ポリスルホン/Gtn-HPA/細胞繊維(複合中空繊維)
実施例Iの装置を使用して、内面が細胞配合Gtn-HPAハイドロゲルでコートされたポリスルホン中空繊維を形成した。まず、ポリスルホン(Sigma Aldrich, Singapore)を、5重量%〜20重量%の範囲の濃度で、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)(Sigma Aldrich, Singapore)に溶解した。次いで、ポリスルホン溶液を、紡糸口金の外側オリフィスに接続されたシリンジポンプに装填した。次に、単離されたヒト近位細管細胞(HPTC)ペレットの懸濁液を、細胞105個/ml〜107個/mlの範囲の濃度で、Gtn-HPA/HRP溶液と均一に混合した。Gtn-HPA/HRP/細胞のブレンドを、紡糸口金の中間オリフィスに接続された第二のシリンジポンプに装填した。希釈H2O2溶液を、紡糸口金の内側オリフィスに接続された第三のシリンジポンプに装填した。これまでの実施例とは異なり、この実施例で形成された繊維は、液浴(1×PBS)に到達する前に空気に暴露された。形成された複合繊維をすぐに多量の1×PBS溶液で洗浄し、ソークして、繊維中の残留NMP溶媒を除去した。適切な長さに切断したのち、洗浄した複合ポリスルホン繊維をREGM中で培養した。10日間のインキュベーションののち、HPTC細胞が繊維表面に完全に付着していることが観察された。]
[0113] 実施例VI
Gtn-HPAコンジュゲートの合成
図20に示すような一般的なカルボジイミド/活性エステル媒介カップリング反応によってGtn-HPAコンジュゲートを合成した。]
[0114] 3,4-HPA(3.32g、20mmol)、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS、3.2g、27.8mmol)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド(EDC、3.82g、20mmol)を水およびジメトルホルムアミド(容量比3:2混合物)250mlに溶解した。反応を室温およびpH4.7で5時間実施した。完了すると、水150ml中ゼラチン10gを反応混合物に加え、室温およびpH4.7で夜通しかく拌した。次いで、混合物を100mMのNaCl溶液、25%エタノールおよび水に対して順にそれぞれ1日間、徹底的に透析し、凍結乾燥させた。HPAとともに導入されたゼラチンのアミン基の割合(すなわち、コンジュゲーションの程度)を従来の2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)法によって測定すると、90%であった。収量は7.0gであった。]
[0115] 図21に示すような、HRPおよびH2O2を使用するHPA部分の酵素的酸化反応によってGtn-HPAコンジュゲートを架橋させた。]
[0116] 実施例VII
ハイドロゲル繊維の特性決定
DP70デジタルカラーカメラを装備したOlympus IX71倒立光学顕微鏡を使用して、細胞を組み込まれたハイドロゲル繊維または細胞を組み込まれていないハイドロゲル繊維の表面形態および凍結切片を検査した。]
[0117] また、二層中実繊維の蛍光画像検査および固定化細胞の生死判別試験をこの倒立顕微鏡システムで実施した。]
[0118] また、純Gtn-HPAハイドロゲル繊維の形態を、電界放出SEM(JEOL JSM-7400F)により、8.0kVの加速電圧および8.0mmの作業距離で特性決定した。繊維を画像検査用のSEMチャンバに装填する前に、まず、純ハイドロゲル繊維のサンプルを十分な脱イオン(DI)水ですすいでPBSの残渣を除去し、次いで、35mmペトリ皿中、−80℃で12時間凍結させた。次に、凍結サンプルを凍結乾燥機(Labconco Freezone 12L)中で24時間脱水した。ハイドロゲル繊維内の多孔性構造を明らかにするために、乾燥サンプルを液体窒素中で短いセグメントに分割した。次いで、導電性テープを使用してセグメントをステージ上に固定し、白金で80秒間スパッタコートした。]
[0119] 凍結薄切法およびDAPI染色によってハイドロゲル繊維中の細胞の分布を調べた。ハイドロゲル繊維を短いセグメントに切り分け、組織包埋媒体Tissue-Tek(商標)(Sakura Finetek, Japan)によって−80℃で12時間固定した。次いで、凍結繊維セグメントをクライオスタット(LEICACM3050S)によって各10μm厚に切断し、DAPI染色のための顕微鏡ガラススライドに移した。顕微鏡ガラススライド上の切断サンプルを1×PBS溶液で一度洗浄し、細胞を70%エタノールで室温で20分間固定した。PBS緩衝DAPI溶液(10μg/ml)を適用したのち、サンプルを室温で約15分間放置し、1×PBS溶液で洗浄した。倒立蛍光顕微鏡(Olympus IX71)を350nmの励起波長で使用して細胞形態を観察した。]
[0120] この詳細な説明および図面から、上記で明示的に挙げられていない本発明の他の特徴、恩典および利点が当業者によって理解されることができる。]
[0121] 本発明の単に例示的な態様を上記で説明したが、当業者は、本発明の新規な教示および利点を実質的に逸脱することなく、態様における数多くの改変が可能であることを容易に理解するであろう。]
実施例

[0122] むしろ、本発明は、そのような改変すべてを、請求の範囲によって画定されるその範囲内に包含することを意図したものである。]
权利要求:

請求項1
複数の流体を、導管中に流して、ほぼ同軸の流体流の三つまたはそれ以上の層を含む層流を形成させる段階であって、該流体流が、該流体流の管状中間層の断面を画定するように選択されたそれぞれの流量で該導管中を流れ、該中間層が架橋性(cross-linkable)ポリマー前駆体を含み、該流体流のもう一つの層が架橋薬剤を含む、段階を含む、流体力学的な紡糸(hydrodynamic spinning)によってポリマー繊維を形成する方法であって、該ポリマー前駆体、該架橋薬剤および該流体が、該中間層から離れる、該ポリマー前駆体の実質的拡散を防ぐように、かつ該架橋薬剤の一部分が該もう一つの層から該中間層の中に拡散して、該中間層中の該ポリマー前駆体の架橋を促進して、ポリマー繊維中に管状ポリマー層を形成することを可能にするように、選択され、該ポリマー層が、該中間層の該断面にほぼ合致する断面を有する、方法。
請求項2
管状中間層の断面を変化させるために、導管を通過する流量を調節することを含む、請求項1記載の方法。
請求項3
調節することが、流体を流して層流を形成させる段階中に流量を調節することを含む、請求項2記載の方法。
請求項4
流量を調節することが、該流量の比を調節することを含む、請求項2または3記載の方法。
請求項5
前記もう一つの層が流体流の管状外側層を含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
請求項6
前記もう一つの層が流体流の内側層を含み、かつポリマー繊維が管状である、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
請求項7
ポリマー繊維が、約20μmまたはそれ以上の内径、および約60μmまたはそれ以上の外径を有する、請求項6記載の方法。
請求項8
流体流のほぼ円柱形の内側層がポリマー前駆体を含み、かつポリマー繊維がほぼ円柱形である、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
請求項9
ポリマー繊維が約20μmまたはそれ以上の直径を有する、請求項8記載の方法。
請求項10
中間層が複数の中間層を含み、かつポリマー繊維が複数のポリマー層を含む、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
請求項11
架橋薬剤が架橋剤を含み、かつポリマー層が、ポリマー前駆体を該架橋剤で架橋させることによって形成されるポリマーを含む、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
請求項12
架橋薬剤が架橋開始剤を含む、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
請求項13
架橋薬剤が架橋触媒を含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
請求項14
ポリマー繊維を固化させる段階を含む、請求項1〜13のいずれか一項記載の方法。
請求項15
ポリマー繊維が導管を出たのち、該ポリマー繊維を液浴に浸漬することを含む、請求項1〜14のいずれか一項記載の方法。
請求項16
ポリマー繊維が細胞を含むように、細胞を層流中に分散させることを含む、請求項1〜15のいずれか一項記載の方法。
請求項17
ポリマー繊維中の複数の層が細胞を含むように、細胞を層流の複数の層の中に分散させることを含む、請求項1〜16のいずれか一項記載の方法。
請求項18
ポリマー繊維の異なる層が異なるタイプの細胞を含むように、細胞を層流中に分散させる、請求項17記載の方法。
請求項19
ポリマー繊維の異なる層が異なる濃度の細胞を含むように、細胞を層流中に分散させる、請求項17または18記載の方法。
請求項20
流体の一つまたは複数が細胞培地を含む、請求項1〜19のいずれか一項記載の方法。
請求項21
流体の一つまたは複数がリン酸緩衝生理食塩水を含む、請求項1〜20のいずれか一項記載の方法。
請求項22
ポリマー前駆体がゼラチン−ヒドロキシフェニルプロピオン酸、アルギン酸カルシウム、またはポリスルホンを含む、請求項1〜21のいずれか一項記載の方法。
請求項23
架橋薬剤が過酸化水素を含む、請求項1〜22のいずれか一項記載の方法。
請求項24
流体流の中間層がセイヨウワサビペルオキシダーゼを含む、請求項23記載の方法。
請求項25
中間層中で架橋を開始させる段階を含む、請求項1〜24のいずれか一項記載の方法。
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同族专利:
公开号 | 公开日
CN102016137B|2012-11-14|
EP2255030A1|2010-12-01|
CN102016137A|2011-04-13|
US20110006453A1|2011-01-13|
SG188832A1|2013-04-30|
US8834780B2|2014-09-16|
WO2009108138A1|2009-09-03|
EP2255030A4|2011-04-13|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2012-02-17| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120216 |
2013-07-04| A977| Report on retrieval|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130704 |
2013-08-06| A131| Notification of reasons for refusal|Effective date: 20130805 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
2014-01-16| A02| Decision of refusal|Effective date: 20140115 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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